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(財)日独協会 事務局Blog





ドイツ語講師インタビュー 本田恵理先生 :: 2019/07/11(Thu)

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出身地
福岡です。街に活気があり、人々がよく笑うところです!

ドイツとの出会い、ドイツ語学習
初ヨーロッパは12歳で母親と行ったイタリア、その後14歳でドイツを旅行し、クラシック音楽やオペラ、美しいボーデン湖、人々の生活に触れ、「ここで暮らしていける」と強く感じ、中学卒業後すぐにドイツに留学したいと思うようになりました。親、友人、学校の先生は皆反対していましたが、1年かけて粘り強く説得し、具体的な留学計画を調べあげて伝えることで両親の理解を得て、15歳で留学しました。
ドイツに行くまでドイツ語の知識は全くなく、フライブルクの語学学校でゼロから学びました。ドイツ語で文法の説明を受けたので、モヤモヤとするところもありました。中級、上級になるにつれ、深く、難しいテーマについて話すには文法が大事であると自覚し、文法にも力を入れました。

ドイツでの大学生活
DSH(Deutsche Sprachprüfung für den Hochschulzugang 大学入試のためのドイツ語試験)に合格し、フライブルク大学に入学、ドイツ語言語学、ヨーロッパ民族学を専攻しましたが、ここからが地獄の日々でした。大学での勉強は語学学校とは比べ物にならないほど高度なもので、専門的な授業がはじまると最初の1学期は全く内容が理解できませんでした。関連の書物を必死に何十回も読んだり、F.A.Z.(フランクフルト新聞)や、SZ(南ドイツ新聞)を大量に読んでいくことで、授業中や学生との討論に備えたり、論文の書き方や、冠詞のつけ方などを学ぶことができました。プレゼンテーションは最初はとても緊張しましたが、慣れてくると、相手からの指摘から学べることが多く、相手を納得させるための論理的な話し方も磨かれ、これらの経験を経て質の高い論文を書くことができるようなったように思います。
また、大学時代に、街でも人気のメキシカンレストランでウェイトレスとして働いていたのですが、ここはお客の回転率が高くとても忙しく厳しい店でした。ドイツではサービスの良さでチップの額が変わってくるので、同僚を観察し、お客様と積極的にコミュニケーションをとったり、仕事をさばく工夫をしていくうちに効率的に動けるようになりました。
ここのレストランで、一度自分が担当するテーブルのドイツ人4人に飲み逃げされたことがありましたが、支払いがされなかった分は自腹で払わなくてはいけないというルールがあったので、必死で追いかけていき、払わせたこともあります。アルバイトでもだいぶたくましくなりましたね!

ドイツ語教師となったきっかけ
13年間のドイツ生活を終えて帰国し、大学生にドイツ語を教えていたところ、彼らのドイツ語が向上し、本人に文構成を理解できるようになった、などと言ってもらえるようになりました。自分が学んだことや苦労した経験が生かせること、教えた生徒の力が伸びることにやりがいを感じています。

教える際にこころがけているところ
生徒さんの表情をよく見るようにしています。授業がわかっているかどうかだけでなく、信頼を得られているかがわかります。また、生徒の緊張感を保ち、集中力を途切れさせないためには目ヂカラも使いますね(笑)。協会では独検3級合格に向けたクラスを開催していますが、基礎が何よりも大事ですので、問題を解きながら、文法をしっかり説明しています。このクラスは質問しやすい雰囲気がありますね。

ドイツ語のおもしろさ
ドイツ語のBildhaft(絵画的、具体的)なところが好きです。例えばLeidenschaftだったらleiden(苦しみ)ながらschaffen(生みだす)から、「情熱」となる。ドイツでも外来語が増えましたが、英語からの外来語のrecyceln(リサイクルする)より、wiederverwerten(再活用する)の方が私にはしっくりきます。ドイツ語は格が決まっていて、どこに単語が来ようが格で意味が特定できる。この論理的なところがとても好きです。そしてこの論理的な言語がドイツ人の論理的な思考にもつながっていると思います。

趣味・好きな食べ物
ロープクライミング、スキーなどアウトドアの活動が好きです。ボウリングも好きで、ドイツでもよくやっていました。学生時代から慣れ親しんでいるレクラム文庫も良く読みますね。語学ももちろん大好きです。
好きな食べ物は、くさいチーズ、Zwiebelmettwurst (脂身のない生の豚挽き肉に玉ねぎのみじん切りを加えたもの)、日本でしたら生ガキです。

ドイツから日本に取り入れられたらよいこと
社会や環境への意識の高さ、それらの問題について議論できるように小さなころから教育されることは、日本でも取り入れられたらいいと思います。

ドイツ語学習者へのメッセージ
言葉は楽して覚えられるものではありません。根気よく続けることが大事ですし、1回で覚えられないのはあたりまえですから、何十回でも反復することが大事です。あれこれといろいろな方法や教材に手を出すのもダメですね。自分のやり方を信じて淡々とやり続ける人が伸びます。泣き言をいわずとにかく何か一つやりきってみましょう。
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  1. ドイツ語講師

ドイツ語講師インタビュー Elfriede Akaike先生 :: 2019/06/11(Tue)

Frau Akaike

出身
ヘッセン州のフランクフルト市の近く、マインハウゼン(Mainhausen)という村で19歳まで過ごしました。当時は人口2000人で、マイン川のまわりに小麦畑や森が広がる美しい村です。父はオーストリアのウィーン近くの出身で、戦争の時にフランクフルト近くに駐屯し、ある日居酒屋で母に出会い、戦後もドイツに住みました、小さいころは毎年、子供たちを交代でオーストリアの叔母の家に連れて行ってくれました。叔母はワイン畑を持っていて、そこで過ごすのはいつも飛び切り楽しかったことを覚えています。

ドイツ語教師になるまで
ハイデルベルク大学で、美術史とドイツ文学を学び、大学で日本人の夫に出会い、卒業後一緒に日本に来ました。知り合いからGoethe-Insutitutのドイツ語教師養成セミナーのことを教えてもらい、参加することにしました。そのころはまだドイツ語教師が少なく、養成課程を終了後はすぐに授業を持つことができました。

ドイツ語の面白いところ
メタファー的な言葉を面白いと感じます。Wolkenmeer (雲海)、Baumkrone(樹冠)、Mondsichel(月の鎌→三日月)、 Flussbett(河床)、Gebirgskamm(山の尾根)など、とても文学的です。
前つづりも面白いですね。たとえば「ver」には、「場所を変える」といった意味がありますが、ver+stehen(立つ)では、「別のところに立つ」これが「理解する」という意味になる、立ち位置を変えることで解るようになる、というのは納得できます。ドイツ語は非常に奥深いです。

ドイツ語授業で気を付けていること
生徒が話す時間をたくさんとるように心がけています。また、“聞く話す読む書く”の4技能をバランスよく交互に行うようにしています。「どうやって学べば効果的か」についても折に触れお話しています。

趣味・好きな食べ物
読書が好きで、特に小説、童話、伝説をよく読みます。A. Stifterの「Bergkristall(邦題:「水晶」)」やGoetheの「Wilhelm Meisters Lehrjahre(邦題:「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」)」が好きです。散歩や街歩きも好きですよ。渋谷から代官山、恵比寿などまで歩くと素敵なお店や建物を発見できて飽きません。
食べ物は、寿司が好き。ドイツではやっぱりパンやチーズ、チョコレートやベリー系のケーキがおいしいですね。

語学学習で大事だと思うこと
第一に、大きい声で発音すること。声を出さないことには言葉の練習になりません。トロイヤ遺跡を発見したシュリーマンは、多言語を操ったそうですが、とにかく大きな声でたくさん音読したそうです。第二に、暗記すること。第三は、たくさんの文章を読むこと。単語や表現が文脈の中で学べます。毎日5分でもいいので学習を続けましょう。

担当クラスについて
「初級2」クラスでは、基礎知識をバランスよく学んでいます。皆さんやる気があって活気があるクラスです。「Deutsch sprechen mit Gemälden」のクラスでは、様々な絵画を鑑賞し、それらにまつわる特別な言葉や、表現を学びます。描かれた人物の状態や表情をドイツ語で描写するだけでなく、文化についても多く学べるのが醍醐味です。これまで2年かけてギリシャ神話を取り上げ、1年前くらいからキリスト教に関する絵を使っています。

日独協会について
アットホームな雰囲気があり、クラスの人数がちょうどよく、生徒との距離が近いですね。授業内容の難しさや生徒の理解度によって授業の速度を調整し、じっくり教えることができます。映画やイベントなどのドイツ関係情報をたくさん得ることができるのも良いですね。

ドイツから日本または日本からドイツに紹介したいこと
日本からドイツへは、室内で靴を脱ぐこと、夜歩いても安心な治安、あとは「たわし」!ドイツからは、脱原発政策、そしてマジパンです。

ドイツ語学習者に一言
Mit Spaß und Freude lernen.
楽しく喜びをもって学びましょう。
Mit eigenem Rythmus soll man lernen.
自分のリズムで学びましょう。
Immer laut sprechen. いつも大きな声で話しましょう。
Wünsche ich Allen viel Spaß! 楽しんでください!
  1. ドイツ語講師

ドイツ語講師インタビュー Frank Riesner先生 :: 2018/12/13(Thu)

Riesner先生

出身
Berlin近郊のGenthinという田舎町で、東西分裂時代は東ドイツでした。ハルツ山地にも行きやすく、バルト海からも遠くありません。東西ドイツ統一後、この町ではKartoffeln-festibval(じゃがいも祭り)が開催されるようになり、様々なコンテストが会期中に行われます。女性たちは「誰が一番おいしいじゃがいもスープを作れるか」、若者は「誰が一番早くじゃがいもの皮をむけるか」、男性は「誰がじゃがいも袋を担いで一番早く走れるか」を競うんです。

ドイツ語講師になるまで
20代で東西ドイツが統一。その後、ミュンヘンで仕事をしている間に二人の日本人音楽学生と知り合いました。彼らは、ミュンヘンを異国のように感じていた私に、ここが異国なら異国の日本に行っても一緒じゃないか、日本ではドイツ語を学ぶ人がたくさんいる、と教えてくれました。当時はネットがない時代。日本についてもエキゾチックな印象があり、行ってみたくなりました。ミュンヘンの市民大学で日本語を学び、日本に来てからドイツ語教授法も学び、まずは語学学校、それから大学で教えるようになりました。

ドイツ語のおもしろいところ
変化するところです。ベルリンの壁の崩壊後、東ドイツで使っていたたくさんの言葉が瞬く間に使われなくなりました。Aktie(株)やArbeitsamt(労働局)などという西の言葉は、当時の私にとって新しいものでした。歴史的な変化に加え、正書法の改正による変化もあります。また、グローバル化にともなって、英語圏からの外来語が増え続けています。

ドイツ語を教えるときに心掛けていること
先生が話す時間より、生徒が話す時間をなるべく多くできるようにしています。

趣味・好きな場所
山や海が好きで、南伊豆や南房総が気に入っています。昔、千葉に住んでいたこともあるので、上総についてはツウですよ(笑)。好きな食べ物は板前さんがさばいてくれた新鮮なお刺身です。

語学学習で重要なこと
話せるようになりたければ、話さなければなりません。車の運転と一緒で、実践あるのみですね。間違えてもよいんです。間違いを直してもらえば、それを覚えますから。

日独協会について
日独協会は長い歴史があり信頼感があります。ここでは、様々なバックグラウンドや年齢層のドイツ語講師から学ぶことができますし、事務局にドイツ語圏のスタッフがいて、いろいろなイベントを開催しており、ドイツ語圏の文化や言葉に触れるたくさんの機会を提供しているのが良いと思います。

ドイツのおすすめ
私の故郷Genthinの近くにTangermündeという街があります。あまり日本では知られていませんが、石畳、木組みの家、お城もあり、とても美しい中世の街並みが楽しめます。Quedlinburgに似ていますが、もう少し小さな街です。ぜひ訪れてみてください。宰相ビスマルクの生家のあるSchönhausenもTangermündeの近くです。

ドイツ語学習者に一言!
到達可能な小さな目標を立てて、一歩一歩学びましょう。もし大きすぎる目標を立てれば、到達できずにストレスが溜まってしまうでしょうから。
Wichtig sind kleine Ziele, die man erfüllen kann, Schritt für Schritt zu lernen. Wenn man zu große Ziele hat, dann kann man sie nicht erfüllen, dann ist das Deutschlernen frustrierend.
  1. ドイツ語講師

ドイツ語講師インタビュー Michael Pitzschel先生 :: 2018/12/12(Wed)

Hr.Pitzschel

出身地
ノルトラインウェストハーフェン州のWildenです。自然が豊かなところで、キツネやウサギなどの動物がいる森で遊ぶのが大好きでした。カナダにも住んでいたことがあります。バンクーバーで観光学を学んで、Four Seasonsホテルなどで働いたり、観光ガイドをしました。カナダにいるときに、ドイツのハーゲン大学の通信課程で心理学と教育学を学びはじめ、学士論文はシュタイナー、修士論文はモンテッソーリについて書きました。
ドイツ語を教えるようになってから17年くらいになります。ゲーテ・インスティトゥートはじめ、いろいろな学校で教えてきました。

休日の過ごし方
やっぱり自然が好きなので長野や群馬で山歩きをすることが多いです。温泉も大好きで、家族と草津に良く行きます。ドイツ人のベルツ博士のおかげで草津はヨーロッパでも知られるようになりましたね。ノルディックスキーやスノーシューイングもしますし、愛犬の散歩も毎日かかしません。

語学の学習で重要だと思うこと
一番大事なのはモチベーションだと思います。モチベーションを保つこと。
話す相手がいることも大事です。私は妻とはカナダで出会ったので英語で話していますが、妻の家族と話すためには日本語が必要です。日本語を話すときは少し静かになりますよ。
ドイツ語のおもしろいところ:文法でしょうね。der, die, dasは覚えるのは難しいですが、授業でクイズにしたりして、楽しんで覚えてもらっています。4格変化も面白いですよね!

好きな言葉
「Tohu wa bohu」。これはもともとヘブライ語なんです。旧約聖書の創世記の最初、「はじめに神は天と地を創造された。地は形なく、むなしく、…」とはじまりますが、この「形なく、むなしく」の部分です。ルターはここを「wüst und leer」と訳し、その後のドイツ語翻訳では「chaotisch(混沌とした)」というように少しネガティブにとられることも多くなったのですが、私の中では「静寂」で「無」のイメージです。

ドイツから日本に紹介したいこと
”Deutsches Ausbildungssystem“です。ドイツの教育制度ですね。デュアルシステムという、学業教育と職業教育を同時に受けられるシステムがあるのはとっても良いと思います。日本は大学信仰が強いのですが、学業以外にもキャリアを積むことのできる道が示されるとよいのではないかと思います。

ドイツ語学習者に一言!
“Der Weg ist das Ziel.” 歩き始めなければどこにも着きません。(学ぶ)過程での発見を楽しみましょう!
  1. ドイツ語講師

ドイツ語講師インタビュー Uwe Ihlow先生 :: 2018/12/06(Thu)

HerrIhlow


担当クラス(2018年12月現在) 
水曜日MiA-2クラス、DoN-1クラス、木曜日DoA-1クラス

出身
生まれ育ったのは、東西分断時代の西ベルリン、ウェディングという地区です。壁から200m離れたところに住んでいて、窓から見えました。壁の向こうには「Stadion der Weltjugend(世界若者スタジアム)」というスタジアムがあり、よく歓声が聞こえました。今はスタジアムは取り壊されてBND(連邦情報局)の本部が建っています。また、近くの地下鉄の駅Rheinickendorfer Straßeは、東西分断時代は西ベルリン国境駅で、そのあとU6線は東ベルリン地域に入り、再び西ベルリン地域に入ってKochstrasseに着くまでの6つの駅(使われていなかったので「Geisterbahnhöfe(幽霊駅)」と呼ばれていました)には止まらず通過していました。壁の記念碑があるBernauerstrasseへも家から歩いて20分くらいで着きます。

ドイツ語を教えるようになるまで
ベルリン自由大学で日本学を2学期履修し、学友からの勧めもあって、次の学期までの休暇に日本に来ました。つくば万博のドイツパビリオンの解体を手伝ったり(解体しましたが会期中は訪れていません(笑))、他のアルバイトをして過ごしているところ、英字新聞でドイツ語教師の募集記事を見つけ、この仕事を始めました。そのあと、東京のゲーテ・インスティトゥートでドイツ語教師養成講座を受けました。当時は無料で受講できたんですよ。

日本でドイツ語を教えていて気づくこと
多くの日本人は遠慮がちなので、わかったか、わかっていないのか、はっきりと伝えてきません。なるべく生徒さんの様子を見ながら教えていますが、「顔を読む」ことがむずかしいです。

好きな場所・好きな食べ物
近くの小さな公園で、たまに散歩したり本を読んだりします。六本木ヒルズのスカイデッキから東京を眺めるのも好きです。料理は妻が作ったものはなんでも好き!ドイツのクリスマスのお菓子Dominostein(レープクーヘン、ゼリー、マジパンの3つの層をチョコでコーティングしたもの)が大好きです。

語学学習で重要なこと
忍耐。ある程度のレベルに達するまでは、一定の時間がかかると思っておくべきですね。

日独協会で特別だと思うところ
家族的な雰囲気があるので、生徒と講師、講師と事務局、事務局と生徒の関係が近くてあたたかい感じがします。

ドイツから日本に紹介したいこと 逆に日本からドイツに紹介したいこと
ドイツからは、蜜蝋のろうそく(Wachskerze)を紹介したいです。ドイツでは養蜂場で買えます。日本からドイツへは畳ですね。ベルリンの家には畳があります。

ドイツ語学習者に一言
Lasst euch Zeit und nehmt euch Zeit!
じっくりゆっくり学びましょう!
  1. ドイツ語講師
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