ドイツでの大学生活 DSH(Deutsche Sprachprüfung für den Hochschulzugang 大学入試のためのドイツ語試験)に合格し、フライブルク大学に入学、ドイツ語言語学、ヨーロッパ民族学を専攻しましたが、ここからが地獄の日々でした。大学での勉強は語学学校とは比べ物にならないほど高度なもので、専門的な授業がはじまると最初の1学期は全く内容が理解できませんでした。関連の書物を必死に何十回も読んだり、F.A.Z.(フランクフルト新聞)や、SZ(南ドイツ新聞)を大量に読んでいくことで、授業中や学生との討論に備えたり、論文の書き方や、冠詞のつけ方などを学ぶことができました。プレゼンテーションは最初はとても緊張しましたが、慣れてくると、相手からの指摘から学べることが多く、相手を納得させるための論理的な話し方も磨かれ、これらの経験を経て質の高い論文を書くことができるようなったように思います。 また、大学時代に、街でも人気のメキシカンレストランでウェイトレスとして働いていたのですが、ここはお客の回転率が高くとても忙しく厳しい店でした。ドイツではサービスの良さでチップの額が変わってくるので、同僚を観察し、お客様と積極的にコミュニケーションをとったり、仕事をさばく工夫をしていくうちに効率的に動けるようになりました。 ここのレストランで、一度自分が担当するテーブルのドイツ人4人に飲み逃げされたことがありましたが、支払いがされなかった分は自腹で払わなくてはいけないというルールがあったので、必死で追いかけていき、払わせたこともあります。アルバイトでもだいぶたくましくなりましたね!
担当クラスについて 「初級2」クラスでは、基礎知識をバランスよく学んでいます。皆さんやる気があって活気があるクラスです。「Deutsch sprechen mit Gemälden」のクラスでは、様々な絵画を鑑賞し、それらにまつわる特別な言葉や、表現を学びます。描かれた人物の状態や表情をドイツ語で描写するだけでなく、文化についても多く学べるのが醍醐味です。これまで2年かけてギリシャ神話を取り上げ、1年前くらいからキリスト教に関する絵を使っています。
ドイツ語学習者に一言 Mit Spaß und Freude lernen. 楽しく喜びをもって学びましょう。 Mit eigenem Rythmus soll man lernen. 自分のリズムで学びましょう。 Immer laut sprechen. いつも大きな声で話しましょう。 Wünsche ich Allen viel Spaß! 楽しんでください!
ドイツ語学習者に一言! 到達可能な小さな目標を立てて、一歩一歩学びましょう。もし大きすぎる目標を立てれば、到達できずにストレスが溜まってしまうでしょうから。 Wichtig sind kleine Ziele, die man erfüllen kann, Schritt für Schritt zu lernen. Wenn man zu große Ziele hat, dann kann man sie nicht erfüllen, dann ist das Deutschlernen frustrierend.
好きな言葉 「Tohu wa bohu」。これはもともとヘブライ語なんです。旧約聖書の創世記の最初、「はじめに神は天と地を創造された。地は形なく、むなしく、…」とはじまりますが、この「形なく、むなしく」の部分です。ルターはここを「wüst und leer」と訳し、その後のドイツ語翻訳では「chaotisch(混沌とした)」というように少しネガティブにとられることも多くなったのですが、私の中では「静寂」で「無」のイメージです。
出身 生まれ育ったのは、東西分断時代の西ベルリン、ウェディングという地区です。壁から200m離れたところに住んでいて、窓から見えました。壁の向こうには「Stadion der Weltjugend(世界若者スタジアム)」というスタジアムがあり、よく歓声が聞こえました。今はスタジアムは取り壊されてBND(連邦情報局)の本部が建っています。また、近くの地下鉄の駅Rheinickendorfer Straßeは、東西分断時代は西ベルリン国境駅で、そのあとU6線は東ベルリン地域に入り、再び西ベルリン地域に入ってKochstrasseに着くまでの6つの駅(使われていなかったので「Geisterbahnhöfe(幽霊駅)」と呼ばれていました)には止まらず通過していました。壁の記念碑があるBernauerstrasseへも家から歩いて20分くらいで着きます。