(財)日独協会 事務局Blog





ドイツの小説 『犯罪』 :: 2012/05/07(Mon)

皆さん

ゴールデンウィークはあっという間に終わってしまいましたが、どんな風に過ごしましたか?

さて、今日は、現在日本でも話題のドイツの本の紹介です。
「全国書店員が選ぶ 本屋大賞」の翻訳小説部門で大賞に輝いた作品『犯罪』(東京創元社 原題『Verbrechen』)。
もうすでに読みましたか?

犯罪     

この『犯罪』は弁護士でもあるフェルディナント・フォン・シーラッハの短編集です。ミステリのコーナーに並んでいますが、主人公が謎解きをするようなミステリーではないのです。
どちらかというと、読んでいる私たちが「人間はなぜそんなことしちゃうんだろうか。」とか「人間って哀しいな~」とか「人間の生き様の謎」について考えさせられる短編集という感じです。
一つ一つの話を読むたびにジワーッと静かな感動につつまれる、そんな本なのです。

ドイツ人スタッフTさんが『犯罪』を読んだ感想を語ってくれたので、ここにご紹介します。

「私が『犯罪』を手に取った時は、もうこの小説がかなり話題になっていたので、すごく期待をして読み始めましたが、期待以上の内容でした。何故かというと一つ一つの小説が私の中にショックや、疑問、歓び、ある種の気持ち悪さといった、様々な感情をわきおこしたからです。

法律の前には一言で「犯罪者」とされてしまう人々の中に、その犯罪をおこすまでの経緯に共感が持てる人もいればまったく理解できない人もいるし、犯罪にならなくてもモラルに反しているものもある。
読みながら、人間の「モラル」についても深く考えさせられました。」

ちなみに『犯罪』に続いて翻訳出版された『罪悪』も、犯罪にならなかったとしても「罪」なのではないか?などと更に深く考えさせれる内容です。

シーラッハの小説はすぐにその物語の世界に引き込まれ、気づくとどんどん読み進めてしまいますが、その世界を日本語で忠実に表現してくれている酒寄進一さんの翻訳も素晴らしいのです。
5月21日に日独協会主催で酒寄進一さんによる講演会「ドイツミステリ翻訳事情」を開催します。シーラッハとも親交深く、他にも「ネシャン・サーガ」シリーズなど数多くのドイツ小説の翻訳で活躍されている方のお話をきく絶好の機会ですよ!

『犯罪』をすでに読まれた方も、これから読む方も、ドイツ小説、ミステリ、翻訳の世界に関心をお持ちの方も、ぜひ奮ってご参加ください!ドイツミステリの世界、翻訳の裏側などについてたっぷりとお話を伺います!

講演会の詳細についてはコチラ


最後に『犯罪』のカバーに書かれている宣伝文を掲載します。関心をもたれたらぜひ読んでみてください!

「一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者の一家の息子。羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。 -魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。

高名な刑事事件弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描きあげた珠玉の連作短編集。ドイツでの発行部数四十五万部、世界三十二か国で翻訳、クライスト賞はじめ、数々の文学賞を受賞した圧巻の傑作!」

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