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(財)日独協会 事務局Blog





文化セミナー「翻訳者と読みとく『朗読者』」 レポート :: 2009/07/10(Fri)

7月8日(水)に東京ドイツ文化センターの教室をお借りして、

「翻訳者と読みとく『朗読者』 
~「Der Vorleser」から「朗読者」へ そして今『愛を読むひと』へ~」

というセミナーを開催いたしました。

講師は原作の日本語訳をされた松永美穂先生。
先生は、早稲田大学で教えていらっしゃる他、翻訳者としても活躍されており、「朗読者」の原作者Bernhard Schlinkの作品の翻訳のほとんどが松永先生によるものです。

参加者の皆さんは、映画、日本語の原作、ドイツ語の原作のいずれかで作品を体験した方々で、作品に対してさまざまな思いや疑問を抱えてセミナーをむかえたようでした。

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先生の「原作をドイツ語で読まれた方?」の問いにも手が挙がります。

作品と作者Schlinkに関する紹介の後、翻訳者ならではの視点の解釈や、翻訳時のエピソードが語られました。
主人公や主人公がHannaを呼ぶときの呼称をどうするか、「ぼく」なのか「おれ」なのか「あんた」なのか「君」なのか、日本語にするときにはそこから表現を考えなくてはいけないんですね。

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さまざまなエピソードを折り込みながら説明くださる松永先生

Hannaの出身地から推測される彼女の人生の苦労、作家シュリンクの受けた戦後民主主義教育と教科書的知識だけで答えの出せない葛藤、主人公が朗読する作品などにも触れてお話いただき、新たな発見が多く、作品を読み返したくなりました。

セミナーの最後に質疑応答の時間がもうけられ、さまざまな意見、質問、情報が飛び交いました。
皆さんがあたためていた熱い思いや疑問を共有したり、翻訳者である先生から作品の解釈を助ける知識を得たことで、作品に関する理解を深めることができたようです。


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熱い意見が飛び交います!

「朗読者」の著者Bernhard Schlinkの最新作は「Das Wochenende」(「週末」)という作品だそうです。
刑務所に服役している元ドイツ赤軍の男が、恩赦を受けて出所してきて過ごす週末を描いているそうです。

奇しくも、7月25日から渋谷シネマライズにて公開の映画「バーダー・マインホフ 理想の果てに」は1970年代のドイツ赤軍の闘争を描いたものです。彼らが理想を追ってたどり着いたのは何だったのか?
これも興味深い映画ですね。

日独協会事務所でも前売りチケットを販売しています。(限定枚数ですので売り切れましたら販売を終了とさせていただきます。)
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  1. 講演とセミナー